2010年6月12日土曜日

Visionary Institute 2010 World Cafe 第3回 「未来を発見するデザイン」 参加報告


Visionary Institute 2010 World Cafe第3回 参加報告。
初対面の人と同じテーマで話し合う
このWorldCafeに参加される方は、六本木ライブラリーメンバーであるということ以外、年齢、性別、仕事、興味など背景がまちまちです。当然、1つのテーマに対しての捉え方が偏るといったことはあまりありませんでした。ただし、時間が15分程度と限られている中で皆さんの発言に対して、皆で掘り下げてゆく時間はありませんので、どなたかの発言に共感できる部分があればそれを肯定しながら、ある時には対話を深めてゆき、また、ある時には別の視点を付け加えてゆくことになります。
対話の効率化と記録
短い時間に多くの意見を出し、かつ、共感できるテーマに話題を深めてゆくにはテーブルクロスの活用が重要だと確信しました。つまり、テーブルクロスは対話の可視化と整理に重要な役割を果たします。今回のWorldCafeではテーブルクロスの使い方や色々な色のマーキングペンの使い方は自由です。話が得意な方、文章でまとめるのが得意な方、絵で表現するのが得意な方など、それぞれの得意な使い方で思い思いに利用するのが良いところです。しかし、もっと有効な使い方があるはずです。同じ思いをされた方もおられたと思います。
マインドマップがしっくりこない
丁度、このWorldCafeの企画が始まる前にマインドマップに興味があり、色々な書籍を読みあさりました。WorldCafeのように色々な意見が出てきて、その中で対話されないまま忘れられる意見もあります。WorldCafeが終わって、残ったテーブルクロスを見ると、個人的にはその意見をもう少し皆さんで対話してみたかったというものもありました。短い時間の中で皆さんの発言を、その場でカテゴリー分けし、整理しておいで目の前で共有できればよいと感じておりました。そこで、マインドマップを活用するともっとよいのではと思い、自分がホストの時には活用したいと考えていて、その後の数回試してみました。
書籍にカラーで載っているマインドマップの例は、綺麗で分かりやすそうなのですが、多分当事者なら何が書かれているのか、何が結論なのかが分かるかもしれませんが、本を読んでいるものにとっては、1単語と1単語の間の動詞の数多くある組み合わせを自分で想定しないといけないので、難解なクロスワードパズルのように感じました。また、似たようなアイデアの整理図法としてアイデアマップがありましたが、これも私の不満である、後で第3者が見て分かるかという要求を満足するものではありませんでした。
マインドマップのルール破りの書き方
テーブルクロスの書き方にこだわっていますが、それは一般の会議のように会議が終わった後に配られる議事録では会議の要点は書かれていますし、いつまでに何を誰が行うということが明確ですが、そこに至る経過が見えません。また、議論している最中はホワイトボードや配られる資料が重要になるのですが、参加者が自由に書くというのではありません。WorldCafeでは、カフェのような雰囲気の中であるテーマに対して思い思いの対話をすることによってハッとする発見や、共感がうまれるという特徴があり、テーブルを囲んで顔をつき合わせて対話する場面では、重要なアイテムとなります。ですから、書くのに時間がかかって対話の進行を中断したり、後で当事者が見ても説明が必要なものよりはという思いがこだわりになりました。そこで、マップを構成する丸の中には単語ではなく、完結した主語、述語、それを掘り下げる分岐の丸にも同じように主語、述語をいれて何回かWorldCafeの中で試しました。結果は、結構テーブルクロスがシンプルで見やすかったと自画自賛しておりますが、気づいた方がおられたかどうかは分かりません。
他のグループでの対話をまとめた文章を見せていただきました。この対話をマインドマップ風に書いてみました。ここ数回、この話題を書いているのはワールド・カフェのやり方を会社の会議に生かそうと思い、その対話のまとめ方について試行錯誤しているわけです。
さて、以下の図が他のグループの対話をまとめたものです。
この図、確かに書いた人にはわかり易く、後日見直しても理解できるものだと思います。私は、常々、マインドマップを紹介した本で、実際に行われたものを見ると、それぞれの枝に書かれる言葉が1語なので、見る人により異なる解釈がなされるのではないかと感じております。
そこで、マインドマップでもアイデアマップでもないのですが、以下の図は、それぞれの枝に書かれていることを理解しやすいように1語ではなく、完結した文章にしました。


テーマへの取り組み方の違い
私たちのテーブルは、最初から今はこうだけど、未来はこのようになりたいという対話がスムーズに出来たように思いますが、初回から第5回くらいは、テーマそのものへの定義で最初の対話を終えるグループがいくつかあるのが見受けられました。確かに、何について話すかをはっきりしておかないと対話の焦点がボケて、結論が出ないという懸念があります。しかし、WorldCafeでは、必ずしも結論を求めているのではなく、一連の対話での一定の共感を得るというのでもよいと思います。今回、私が感じたのは、「発見したい未来」というテーマに対し、未来っていつまで、50年後、100年後、それとも遠い未来という議論(あえて対話ではなく議論という言葉にしました)で時間をつかってしまったところもありました。
薄羽さんへの質問メールとWorldCafe第4回での大役のご依頼
WorldCafeの第1回と第3回に参加させて頂き、いつになく参加することが楽しみになってきて、また更に楽しく参加するために、この企画をされたMCプランニングの薄羽さんに私が抱いた疑問をメールしました。すると大変示唆に富んだ返事を頂き、益々楽しみになりました。このVisionary Institute 2010 WorldCafeはその前に行われるSeminarのお話を御題の題材としているので、そのSeminarに参加出来なかった方のために、各回の最初にはSeminarのサマリがお話されますが、何と、光栄なことに薄羽さんから第4回のWorldCafeの際に第3回のSeminarのサマリを10分程度で話をしてほしいという依頼を受けました。折角の機会ですし、私は昔コンピュータグラフィック関連のプログラマーをしておりましたので、伊藤氏のお話されるテーマには縁があったため、お引き受けさせて頂きました。
Visionary Institute - 2010の索引ページに戻る