2010年10月20日水曜日

Visionary Institute 2010 Seminar 第7回 高間邦夫氏「人財のイノベーション 未来を開発する組織」 サマリー


Visionary Institute 2010 Seminar 10月18日 「人財のイノベーション 未来を学習する組織」と題してお話された高間邦夫氏のお話を聞きました。氏のお話はこのシリーズの全9回の第7回にあたり、4月から参加してきた私にとってはシリーズの終わりが見えてきたという感じです。
高間氏の会社は人材開発または組織開発コンサルタントを仕事としているものですが、学問としての人材開発ではなく、企業を生き生きとさせるという実務としの人材開発に取り組まれております。それだけではなく、実際に企業の業績が上がったりしないと認めてもらえないわけです。
最近の人財開発の流れは以下のようになっております。
・方法論の改善ではなく、組織に働く人の思想や文化を変えてゆくものです
・金銭的な報酬や勤務時間などの就労条件の改善といったベネフィットやコストの改善ではなく、働く人の心を変えてゆくことと捉えています
・座学からますます参加型に変化してきています。それも小グループでの対話を通じてお互いを理解しチームワークを育むというのが主流となりつつあるようです。
最初のお話は、米国の労働者と日本の労働者の幸福度を比較して、米国では長く勤めているほど幸福度が高まっていきますが、日本人では何年勤めても幸福度は低いまま一定であるという大阪大学のグループの調査結果を報告されました。これが問題ではないか?
働き甲斐を感じられない日本人の組織に対してどうしたらよいかを以下の観点からとりあげております。
①人々の視座を変える
ピーター・ドラッガーが「イノベーションとは新たな次元の創造だ」といっています。
従来は物事を直線的な思考で考えていたが、現在は複雑にからまっているので「システム思考」が必要になってくるわけです。このシステムには目的志向が必要になるわけですが、その際には視点を変えることが重要である。
②人々の認知の枠組みを再構成する
ケネス・J. ガーゲン「あなたへの社会構成主義」を読んでいただければいいと思います。
最近の研修では講師が座学で教えるのではなく、お互いの経験や知識などを話し合って高めあうということが行われています。
③オープンな話し合いの行い方
オープンな対話の作り方は思考の質を高めることが狙いです。そのためにはオープンに話しあうことです。
④ダイアログとはタバコ部屋の会話に似ている(上下の関係が存在しない空間)。
⑤アダム・カヘンは生成的ダイアログと儀礼的会話などを活用させて頂いております。
⑥オープ・スペース・テクノロジー(ミーティング)
人々の価値を共有し、ビジョンを生み出す
⑦AI ( Applicative inquiry )とは問いや探求により個人の価値や強みをみつける
⑧目標と現実のギャップをうめるという発想よりは、望ましい方向を模索することのほうがより前向きである
・推薦書籍のご紹介


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