2010年10月9日土曜日

Visionary Institute 2010 World Cafe 第7回 「編集から読み解く知識創造/価値創造」 参加報告


全10回のvisionary Institute 2010 World Cafeも気がつけば、あと3回を残すだけとなってきました。しかし、Cafe的な対話には、毎回新鮮な感動があります。今回は、松岡正剛氏の”言葉のイノベーション”というセミナーを受けて、言語のイノベーションということで、”母なるもの”とは、”父なるもの”とはなにかについて、対話を行いました。
毎回のことではあるのですが、ファシリテータの薄羽さんの出されるテーマには驚かされます。
つまり、松岡正剛氏の”言葉のイノベーション”を受けての対話なので、”言葉が未来をどのように変えてゆくのか”というテーマで対話をするのかなと考えて今日を迎えたのですが、薄羽さんの発想では、”父なるもの”、”母なるもの”がどんなものであるかについて対話しなさいということで驚かされました。
でも、松岡正剛氏のセミナーを思い出してみれば、言葉がどのようにしてできて来たのか、そしてその言葉がどのようにして文字として現れてきたのか、から始まり、その後の発展から現代へとつながってゆくわけですが、そこで、母が生まれてきた子供に”動作”を通じて”言葉”というコミュニケーションをつたえてゆく、この”動作”と”言葉”が抜き型であるというお話をされました。言葉は、母語、母国語、昔の神は皆、女神であった。その後、社会を型にはめてゆくようになり、男社会、男の神が現れてきた。
じゃあ、”母なるものとは”、”父なるものとは”、これからどんな役割を果たして行くのかを、過去、現在を見通して対話しなさいとなるとまでは、予測できませんでした。
また、グループの発表者として、今日のグループの対話をこのようにしようと考えていたところ、対話の結論をそのまま表現するのではなく、イノベーションを感じさせる言葉で表現しなさいということで、二度驚かされました。
まだまだ、私の考えの底の浅さに気づかされました。毎度のことですが.......。
では、以下が各グループの対話の記録となります。
Aチーム
母なるものとは”見返りを求めないもの”である。
父なるものとは”資本主義”である。
第3者から完成したテーブルクロスを見た感想:
このチームは書記がいなかったようだ。それぞれの人が、自分の意見を説明しながら書き留めたようで、話し合い自体は盛り上がったのかもしれないが、テーブルクロスはまとまりがないように見えます。ですから、結論に至る過程が見えません。


AチームのテーブルクロスをMAPにまとめると、こんな具合?

Bチーム
母なるものとは”大地の母”である。
父なるものとは”偉大な父”である。
一番重要なのは”補い合う”ということです。補い合ってはじめて、明るい未来がある。
第3者から完成したテーブルクロスを見た感想:
私はこのグループでまとめ役をしたので客観的には言えませんが、流れを振り返ると、最初はやさしい、厳しい、右、左のように母、父を対比して話し合っていましたが、他グループの方が交わると、補い合うやノートとクレヨンなど片方だけでは成り立たないが、両方があってはじめて望ましい未来が生まれてくるという視点が加わり、最初のメンバーが戻ってくると、それに共感するようになりました。
BチームのテーブルクロスをMAPにまとめると、こんな具合?

Cチーム
母なるものとは”積分”である。
父なるものとは”微分”である。
つまり、母なるものとは”形を作るもの”。父なるものとは”変化を生み出すもの”。
こちらのチームでは、他のグループのように父なるものと母なるものが補い合うというのではなく、母なるものが、歴史を作ってきて、父なるものは付け足しである。
第3者から完成したテーブルクロスを見た感想:
こちらもAチーム同様、書記の方が数人いて、そこで出た話題が結びついてゆかず、そのうちの一つにメンバーの多くが賛成され、グループの意見となったように見えます。
CチームのテーブルクロスをMAPにまとめると、こんな具合?

Dチーム
母なるものとは”相手に合わせて形を変えることのできる器”である。
父なるものとは”明確に枠組みを作ってくれる器”である。
第3者から完成したテーブルクロスを見た感想:
こちらのチームは書記の人が全体とまとめて言ったように見えます。私たちのグループ(Bグループ)同様、父、母を対比して意見が述べられているようです。いつの時点でともに必要という意見が出てきたかは見当がつきませんが、イラストが効果的に使われているという点で、取り入れたいと思いました。
DチームのテーブルクロスをMAPにまとめると、こんな具合?

Eチーム
母なるものとは”包み込み、そして、それに力と栄養を与えるもの”である。
父なるものとは”種”である。
ただ、どちらかひとつではなく両方存在しなければ大きく育ってゆかない。
第3者から完成したテーブルクロスを見た感想:
こちらは書記の方がしっかりされているようです。一目で全体の流れが見えるようですばらしいと思います。キーワードがうまい配置で書かれているのも良いと思います。結論も、この流れでは妥当だと思います。

EチームのテーブルクロスをMAPにまとめると、こんな具合?


Fチーム
母なるものとは”動物性”である。
父なるものとは”人間性”である。
これは、区別されるものではなく、動物性と人間性は入れ子構造になっている。母は自由だったりナチュラルだったりしてプラスの言葉。父は秩序、命令など否定的な言葉が出てくるが、なぜ父が必要かというと母が動物としてそだて、父が社会規範を教えるということではないか。これは、教育のプロセスではないかなと思います。
第3者から完成したテーブルクロスを見た感想:
よーく見ないと分からないが、右下に小さくかかれているのが、母は動物性で、父が人間性である。それ以外の全体からはこの結論にはたどり着かない。果たして、グループ全員の総意であろうかと思わせるようなものであるが、最後はこの結論だとするとどの発言からそこに向かったかを知りたい。

FチームのテーブルクロスをMAPにまとめると、こんな具合?

10月9日追記
各グループの意見としては、ほぼ”母なるもの”と”父なるものは”、補い合うものであるということになりました。
また、1つのグループでは、が”母なるもの”でが”父なるもの”という結論でした。
最近、自分に不満を感じているのは、補い合うのは良いのだけれども、競い合う(高めあう)という観点が自分に不足しているように思っています。自分の本来持っているものは平均的な生き方ではなく、競い合うはずではなかったのかという反省にたち、気持ちの中では競い合うようにしています。
Visionary Institute - 2010の索引ページに戻る