昨年の4月から9回に渡った株式会社エムシープランニング代表の薄羽美江さんの企画は「20世紀の忘れもの」から「21世紀の贈りもの」へと進化・深化させて、真の価創造に向かいたいという想いを実践する場を提供され、今年の1月7日で完結しました。
このようにWorld Cafeは完結して、薄羽さんは当初から言われていた、この成果を本にまとめるという作業を始めていたときに3月11日の災害が起きました。これだけの大きな災害を経験し、これからの日本に何が必要かというテーマへの思いがどのように変わるのかを確かめたいという思いからか緊急セミナーを企画され、7月11日に行われました。そのVISIONARY INSTITUTE 緊急セミナー ~佐治晴夫:これまでの日本・これからの日本~を受けて、このテーマで皆さんが対話されました。
各グループ発表の薄羽さんの記録
各グループ発表の薄羽さんの記録を図式化してみました
Aグループの発表
1.原発から学んだのは「情報の質」、「正しい情報を得る」です。
2.リーダー不在と言われていますが、自分を持っていれば絶対に乗り越えられる。「自信」を持ちましょう。
3.こういう時には「女性の時代」です。なでしこJapanが活躍しています。「なでしこJapanの希望」。
この時点で、なでしこJapanはベスト4まで進んでいました。3日後の18日早朝、アメリカとの決勝戦で同点、PK戦で日本が勝ち、初めての世界一になりました。これは、日本人に大きな勇気を与えてくれました。
Aグループのテーブルクロス
Aグループのテーブルクロスを図式化してみました
Bグループの発表
1.復興は現状維持ではなく、「飛躍」をしなければならない。
2.自立して自分の意見を言えるようにしよう。批判ではなく、自分の意見をもちたい。
Bグループのテーブルクロス
Bグループのテーブルクロスを図式化してみました
Cグループの発表
「情報のリテラシーが必要」
頑張ろう日本が心に響かない。
昔からの価値観で今回のことが起きてしまった。価値観を変えるチャンス。
仲間を大事にすることは、仲間以外を敵にする。
原発での自分の生命を守る「情報」が得られなかった。
Cグループのテーブルクロス
Cグループのテーブルクロスを図式化してみました
Dグループの発表
私たちは「個という自分自身」と「組織」との行き来をしたほうが良い
個人としても世界に発信し、組織としても世界に発信するには、その両方を行き来できる必要がある。
Dグループのテーブルクロス
Dグループのテーブルクロスを図式化してみました
本日の私の他花受粉の軌跡 ( Eグループから出発 )
1.Eグループでの対話
1.自然には想定外はない。自分自身のこれからに想定外の事があった時の備えを考えるきっかけになった。
2.自分が被災者でなかったが、人のために自分が出来る範囲で一生懸命すればよい。
3.大震災の日に情報難民になった。携帯、インターネットがつながりにくかった。
4.普段便利と思われていたものがなくなってみて、なくても問題ないことが分かった。無駄の多い社会だ。
5.人間も自然の一部なので、自然と共生してゆく道を大切にする。
2.Bグループでの対話(ラウンド1)
それぞれのグループでの対話を発表
1.このテーブルでの対話(震災のときに何をしていたのか)
1.1入院していたご主人をお見舞いに行っていて帰宅できず
1.2誕生日パーティの最中で、それぞれを大切にしなければと感じた
1.3鉄道会社では、事務部門も全員現場にでて、こういうときには燃えた
1.4超高層ビルで働いていて、無事で生きていて良かったと感じた
2.別のテーブルでは
2.1買占めが起きた(自分達の身近な人を守る母の行動ではないか)
2.2メディアが信用できなかった
3.別のテーブルでは
3.1想定外のことが起こったので、どうしたらよいのかという問題提起
3.2緊急時には国家レベル、県、市町村レベルでこういうことの対応を予め考えていなければならないのでは
4.別のテーブルでは
4.1何でも手に入る時代、このような事態で何が必要かを考えさせられた?いらないものが多い。
4.2正しい情報が手に入らないことがどれほど不安にさせられるかを痛感した
ここでの対話
持続可能な社会作りが大事で、自給自足のできる小さなコミュニティを大切にしたい
グローバルな社会では自ら生産しなくても海外から輸入すればよいが、そこで災害が起きたときのことも考えておく必要がある
3.グループでの対話(ラウンド2)
1.このテーブルで起きたこと
1.1個がそれぞれの発言ができるようになれば多様性が生まれる。その上で組織的な視点が必要。
1.2お母さんの買占めも個としての視点だったが、組織的な思考も必要ではないか
1.3個と組織を行き来するのが大事
ここでの対話
日本は戦後ロボットにされてしまった。自分で考えなくなってしまった。強いリーダーシップもない。
私たちは西洋と東洋の文化を持っているのは先進国は日本だけです。それが21世紀を支配できる。
どん底をバネに変えるチャンスである。「希望」と「夢」
理想を考え直さないといけないのではないか
環境との共存が大事
4.元のEグループに戻っての対話
悪いことをバネにして伸びる。そのときには「夢」と「希望」が大事
自分自身の足で立つことが大事だとあらためて思った。周りに踊らされずに、自分で意識できるようにする。
自分の五感で感じることが大事。
Eグループの発表
1.震災のときに停電になって情報難民になってしまった。
2.本当に必要なものが何なのかを考えるきっかけになった
3.自然との共生がひつようではないか?
4.戦前の日本は誇りを盛っていいような良いものがあった。もっと誇りを持ってよいのではないか?
日本人は東洋思想と西洋思想をバランスをとっている。「夢」と「希望」を持ちなさい。
このとき、まさに地震が起きて(茨城県南部最大震度4)、発表が一時中断。
六本木ヒルズ49階ではそれほど大きな揺れではありませんでしたが、すぐに館内アナウンスがありました。
Eグループのテーブルクロス
Eグループのテーブルクロスを図式化してみました
Fグループの発表
私たちに必要なのは価値観の転換がひつようではないか?
価値観の転換は1人では難しいので対話が必要ではないか
Fグループのテーブルクロス
Fグループのテーブルクロスを図式化してみました
今回のまとめ
1月に同じテーマで対話したときと明らかに違う視点がありました。1月の視点は、豊かになった日本人にハングリー精神が欠けていて、再び成長するためには意識の変革が必要ではないかというものでした。今回の視点は東日本大震災後の対話ということで、情報が多くのグループで話題になりました。「情報発信者は今何が必要かを理解し、正しい情報を発信すること。それを受け取る側は、多くの間違った情報から正しい情報を選別できる目を持つこと」でした。また、これから前に進むための心構えとして、「夢」、「希望」、「自信」がキーワードとなりました。全く同じテーマの前回と見比べてみるのも良いと思います。
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2011年7月18日月曜日
2011年7月13日水曜日
Visionary Institute 緊急セミナー 佐治晴夫氏「これまでの日本・これからの日本」リベラルアーツから創造する未来の価値 サマリー
今回、7月11日の六本木ヒルズでのご講演は、3月11日の東日本大震災から4ヶ月が過ぎたこの日に東日本大震災を振り返り、これからどのようにして行くべきかについて、宇宙と物理を専門とされ、音楽にも詳しい、まさにリベラルアーツを語るにふさわしい佐治晴夫先生がお話をされました。
まずは、自分が思っている自分と他人から見える自分とは異なっている。それ故、自分のこと(地球のこと)を知っていないということを知るのが非常に大切です。放射線の問題、原発の問題、宇宙の問題、地震の問題を分かっていない。そのことを知っていただくために今日のお話をされるということでした。
自分のことは自分では分からない。地球も地上からではその全体像が見えない。3年前にその使命を終えてつきに衝突して尽きた月探査衛星が月に落ちる前に撮った月から昇ってくる地球の姿が捉えられている。まずはこの映像をみて、なるほどと感じていただく。
1.地球を直径1mのボールに例えると
地球の周りの空気の厚さはたった1mmです。海の深さは0.5mm位です。その下に3mm程度の薄い皮が十数枚重なっていて、そのなかの地球の中の大部分はどろどろとした成分のものが対流しているのです。このような状況で断層が少しずれただけで今回のような大地震が発生するわけです。地震は避けようがない。だから、今回震災にあわなかった人たちも、その場に居合わせた可能性はあったわけで、これからもそういう場面に自分は居合わせないという保障はないわけで、震災はわれわれ全体の事として考えなければならない。
地球の周りの空気の厚さはたった1mmです。海の深さは0.5mm位です。その下に3mm程度の薄い皮が十数枚重なっていて、そのなかの地球の中の大部分はどろどろとした成分のものが対流しているのです。このような状況で断層が少しずれただけで今回のような大地震が発生するわけです。地震は避けようがない。だから、今回震災にあわなかった人たちも、その場に居合わせた可能性はあったわけで、これからもそういう場面に自分は居合わせないという保障はないわけで、震災はわれわれ全体の事として考えなければならない。
2.人類の創生
人類創世記はアフリカで大地震で地面が裂け砂漠ができて、そこにサルが残された。生き残るために4つ足では不自由なので立ち上がり、その結果として頭が大きくなり進化してきました。つまり、ここでは地震によって人が育ったわけです。このように、世の中のことは、プラスのこととマイナスのことが同じ量だけあってバランスをしているのです。
人類創世記はアフリカで大地震で地面が裂け砂漠ができて、そこにサルが残された。生き残るために4つ足では不自由なので立ち上がり、その結果として頭が大きくなり進化してきました。つまり、ここでは地震によって人が育ったわけです。このように、世の中のことは、プラスのこととマイナスのことが同じ量だけあってバランスをしているのです。
3.衛星の衝突
宇宙には無数の隕石が漂っていて、その1つが地球にぶつかっても地球にはダメージが生じるが、地球にぶつかったために今の4季のある地球がある。月が地球にぶつかったことにより地軸が23.6度傾き4季ができました。その月が地球にぶつかった後、地球の周りを回っていることにより月からの引力の力をうけ、この23.6を保っているのです。災い転じて福となすではないのすが、可能性の低い偶然が重なった結果と考えるのではなく、起こるべくしえ起こったとも考えられるわけです。この偶然がなかったら、地球は地軸が垂直で高速に回転するため、空気の層が嵐のように吹き荒れて、その大きな音により、今のような静寂の世界ではないので、音楽を楽しめなかった、つまり、音楽がなかったとも言えます。
宇宙には無数の隕石が漂っていて、その1つが地球にぶつかっても地球にはダメージが生じるが、地球にぶつかったために今の4季のある地球がある。月が地球にぶつかったことにより地軸が23.6度傾き4季ができました。その月が地球にぶつかった後、地球の周りを回っていることにより月からの引力の力をうけ、この23.6を保っているのです。災い転じて福となすではないのすが、可能性の低い偶然が重なった結果と考えるのではなく、起こるべくしえ起こったとも考えられるわけです。この偶然がなかったら、地球は地軸が垂直で高速に回転するため、空気の層が嵐のように吹き荒れて、その大きな音により、今のような静寂の世界ではないので、音楽を楽しめなかった、つまり、音楽がなかったとも言えます。
4.地球とどう向かい合っていくのか
災害は忘れられたころにやってくる(寺田寅彦)と言っています。今回の津波は想定外でしたといっている人がいますが、今まで30mを越える津波が来たことは歴史が物語っています。地震が人類を作り、地震が人間を壊してゆく。50年に一度、夜が来る(新月)。そのときに人間は何をするか考えて見なさい。
災害は忘れられたころにやってくる(寺田寅彦)と言っています。今回の津波は想定外でしたといっている人がいますが、今まで30mを越える津波が来たことは歴史が物語っています。地震が人類を作り、地震が人間を壊してゆく。50年に一度、夜が来る(新月)。そのときに人間は何をするか考えて見なさい。
以上は自然と人類がいかに密接にかかわっているのかを知ってほしいということです。
5.原発について
原子の世界は確率で動いていて、制御できない。ほかの世の中は熱力学の第2法則で動いているが、原子はこの原理に反しているので、制御するのは難しい。原子力がよいと言っている人たちは、地球の温暖化という一点から、他のエネルギーは温暖化を加速したり、コストがかかりすぎて実用にならないとかを根拠にしていて、安全性の根拠は使ったエネルギーの廃棄に多くの年月がかかり、その保管コストや保管中にエネルギーがもれるというリスクなどを隠したまま、安全だ、コストが安い、クリーンだなどと言っているのだ。何かを隠して守ろうとする人は、何かを壊す人になる。こういう人が核の爆発ボタンを押すのである。何かを守ろうとする人は、それを攻撃する人を攻撃するのです。これが人間の本質です。母親は自分の子供をかわいがって抱いているその手で、自分たちを攻撃しようとしている人たちをその手で殺すことをします。
原子の世界は確率で動いていて、制御できない。ほかの世の中は熱力学の第2法則で動いているが、原子はこの原理に反しているので、制御するのは難しい。原子力がよいと言っている人たちは、地球の温暖化という一点から、他のエネルギーは温暖化を加速したり、コストがかかりすぎて実用にならないとかを根拠にしていて、安全性の根拠は使ったエネルギーの廃棄に多くの年月がかかり、その保管コストや保管中にエネルギーがもれるというリスクなどを隠したまま、安全だ、コストが安い、クリーンだなどと言っているのだ。何かを隠して守ろうとする人は、何かを壊す人になる。こういう人が核の爆発ボタンを押すのである。何かを守ろうとする人は、それを攻撃する人を攻撃するのです。これが人間の本質です。母親は自分の子供をかわいがって抱いているその手で、自分たちを攻撃しようとしている人たちをその手で殺すことをします。
つまり、考え方の出発点は、自分は被害者であり、加害者であるということを認識することから始めるのがたいせつである。
ここで、想定外ということはあり得ない。過去を調べれば、同じことが何度も起きていることが分かるということを的確に詩にしているのが、金子みすゞの「しけ玉」というものです。
夕燒のなかに、しけだまが赤いよ。
しけだまの下では、仔牛(べえこ)があそぶよ。
もういつからか、あがつたきりだよ。
誰も うはさも、しなくなつたよ。
夕燒のそらに、しけだまは赤いよ。
いつか來る、いつか來る時かを知らすよ。
しけだまの下では、仔牛(べえこ)があそぶよ。
もういつからか、あがつたきりだよ。
誰も うはさも、しなくなつたよ。
夕燒のそらに、しけだまは赤いよ。
いつか來る、いつか來る時かを知らすよ。
また、太陽エネルギーは天候に左右されるから安定的なエネルギーではないと言っている人がいるが、晴れた場所で作られた電気を曇ったところに電気を供給する。そうすれば、太陽熱発電も安定している。自然エネルギーが不安定といっている人たちには知恵がない。
また、ここでも金子みすゞの「昼の月」の詩が言い当てているそうです。
しゃぼん玉みたいなお月さま
風吹きや、消えそなお月さま。
いまごろどっかのお国では、
砂漠をわたる旅びとが、
暗い、暗いといってましょ。
白いおひるのお月さま、
なぜなぜ行ってあげないの。
風吹きや、消えそなお月さま。
いまごろどっかのお国では、
砂漠をわたる旅びとが、
暗い、暗いといってましょ。
白いおひるのお月さま、
なぜなぜ行ってあげないの。
これと同じ事をやったらいいじゃないですか。晴れているところで作った電気を曇っているところにもってゆく。それくらいな事は、本気で考えればできますよ。
6.自然災害って
自然災害という言い方はおかしい。星の衝突はしょっちゅう起きていて、まれに起きることではない。
普段起きていることを災害というのはおかしい。
自然災害という言い方はおかしい。星の衝突はしょっちゅう起きていて、まれに起きることではない。
普段起きていることを災害というのはおかしい。
7.マニュアルは平常時には当てはまる
しかし、マニュアルは非常時には当てはまらない。非常時になったらマニュアルにこだわらずに状況をみて判断するのが結果的に正しい判断となる。マニュアルとおりでないことがよい事があるとの認識を持てば、マニュアルにしばられない判断、行動がとれる。
しかし、マニュアルは非常時には当てはまらない。非常時になったらマニュアルにこだわらずに状況をみて判断するのが結果的に正しい判断となる。マニュアルとおりでないことがよい事があるとの認識を持てば、マニュアルにしばられない判断、行動がとれる。
8.幸せって何?
自分ひとりの幸せはあり得ない。相手があっての幸せ。慈悲の慈とは望むこと(metta)、悲とはやはり望むこと(karuma)で相手があっての幸せを表している。自分にとっての幸せを考えてみる。
聖フランチェスコはその言葉の一節に
自分ひとりの幸せはあり得ない。相手があっての幸せ。慈悲の慈とは望むこと(metta)、悲とはやはり望むこと(karuma)で相手があっての幸せを表している。自分にとっての幸せを考えてみる。
聖フランチェスコはその言葉の一節に
慰められるよりも慰めることを
理解される事よりも理解することを
愛されるよりも愛することを
私が求めますように
私達は与えるから受け
許すから許され
自分を捨てて死に
永遠の命にあずかるのですから
理解される事よりも理解することを
愛されるよりも愛することを
私が求めますように
私達は与えるから受け
許すから許され
自分を捨てて死に
永遠の命にあずかるのですから
つまり、与えることで与えられるという考えが、復興のスタートとなるのではないか。人間の知恵は大きい。希望を持つことが大事です。希望には芸術が大きな力を発揮します。
というような講演をされました。
佐治先生は毎日新聞の三重県版に記事を書かれていますが、毎日新聞のホームページにも載っていますのでぜひご覧ください。検索キーワードは「佐治博士の不思議な世界」です。
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