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2010年12月4日土曜日

Visionary Institute 2010 World Cafe 第9回 「成功の法則」とはどのようなことですか?参加報告


Visionary Institute 2010 World Cafeの第9回は、的川泰宣氏の”飛翔のイノベーション”未来を開発する宇宙探索というセミナーを受けて、私たちにとって現在、未来での「成功の法則」とはどのようなことですか?そしてそれを実現するためには「何」が大事ですか?について、株式会社エムシープランニング代表の薄羽美江さんのファシリテートにより対話を行いました。
寺沢さんによる的川泰宣氏のセミナーの報告
毎回、その回の題材となるセミナーのサマリーを薄羽さんがされているのですが、今回はメンバーにJAXAで宇宙線が人体に及ぼす影響を研究している寺沢さんがいて、寺沢さんが今回の説明を薄羽さんに申し出てくれました。寺沢さんは研究の傍ら、日本科学未来館などで来館者へのセミナーをやられているようなので、人に教えると言うことが身についておられるように感じました。寺沢さんの発言は最近で印象に残っているのは、第7回では母なるものとは”積分”である。父なるものとは”微分”である。第8回では未来に大事な能力として、コミュニケーション、強調、自己愛、喜怒哀楽、慮るなどの意見がでるなか、あえて反対意見を言って問題点を洗い出してゆき、結果として高めあってゆく。第9回である今回は成功の反対は失敗ではない。何もしないことだ。などでした。
解説は「はやぶさ」が宇宙から地球へ帰還してオーストラリアの上空で燃え尽きる写真から始まり、続いて、ロケットで打ち上げられたときから、色々の故障をしてゆく経過を説明され、ついには生命線の通信がとだえてしまい、さすがに、今まで色々な故障を繰り返してきてもなお、飛びつつけている「はやぶさ」を信じてきたチームも絶望になりながらも、通信を続けていった様子が説明されました。何とか通信が戻ったのですが、通常の通信が出来ない状況で、「はやぶさ」の5年前に打ち上げられた火星探査衛星「のぞみ」での1ビット通信(2進数の世界で1桁は1か0、つまり、"yes"か"no"。例えば息子にどこにいる?とは聞けないので、今、学校にいる?答えは"no"を延々と繰り返して場所を絞ってゆくとても辛抱のいるやりとりです)と言うノウハウが生かされることとなり、「はやぶさ」の制御が可能となった。地球に帰還した「はやぶさ」が燃え尽きる前に送ってきた宇宙から見た地球の映像は霧がかかったような画像だったが、その画像の状態が「はやぶさ」の痛々しい姿を物語っていてすばらしかった。
それにしても、的川泰宣氏の「はやぶさ」のまるで人間模様のようなお話は、薄羽さんも言っておられましたが、会場では多くの方が感動し、目頭が熱くなる人が見られました。私も、父が亡くなったときには涙もでなかったのですが、このようなお話にはつい目頭が熱くなっていました。全て印象深いお話ですが、女性には特にあたかも子供のようなカプセルを育てて、母親は燃え尽きてゆくというところに感動したようです。私は「はやぶさ」を送り出す直前に、4つのエンジンに何か障害があったときのために、それぞれのエンジンの使えるところを組み合わせて使えるようにしていたことと、3つあった姿勢制御用の機器が全て故障した状況で機転を利かして推進用のエンジンを姿勢制御にも使った技術者のおかげで姿勢制御が可能となり、その前に不完全ながら回復した通信とそれを使った地上のエンジニアの習得した制御技術、これら全てが重なって地球に帰還できた、このチームワークに感動しました。ここには多くの困難とそれを乗り越えた大きな成功があったわけです。
人間模様といえば、燃え尽きる「はやぶさ君」を思い、5歳の少女が手紙を書き、それをお父さんがJAXAへ送ったそうですが、その手紙が紹介されておりました。以下、「あすかははやぶさ君が大好きです。でも、はやぶさ君がもうじき消えてなくなるという話を聞きました。でも、あすかははやぶさ君が大好きなので、一生、はやぶさ君のことを思い続けます」。
そして的川先生はお話の最後で以下のようにまとめられました。
幼い共感と感動が未来を作る
小中学校は高校の準備だけではない。「命を輝かせる最も大切なチャンス」を身に付ける時期である。
・毎日毎日が人生でもっとも大切な時期である可能性が高い。
・着眼大局 着手小局
そして、最後に「適度な貧乏」。これが「はやぶさ」が成功した原動力だったようです。
私も当日の的川先生のお話をお聞きしてその感想をこのブログの別の回で記録しておりますので、ここをクリックしてご欄頂ければと思います。
今回の対話は、この「はやぶさ」プロジェクトには教訓とするべきものが多く有ったので、ここでの多くの失敗と大きな成功を頭に入れつつ、成功するには何が大切かを話し合いました。


各グループ発表のまとめ
薄羽さんがこのように磁石で貼り付けるホワイトボードに、各グループのまとめを聞きながら書き留めるということを始めたのはここ2-3回前からなのですが、多分、皆さんそう思うと思いますが、「字がきれい」、「瞬間的にキーワードをつかんで簡潔にまとめるのは、すばらしい」、「漢字を一杯知っていてすぐ書ける(対話の中で、皆さん異口同音に漢字を忘れてしまったのでひらがなで書きますけどいいですか?というような話があちこちでされています)」。WorldCafeではテーブルクロスにその場で書きながら対話を深めてゆき、テーブルを移動して色々な意見と出会うというのが、第一義的に重要ですが、その場で振り返って全員で共有しあうというのが更に大事だと思います。また、わたしのように何日も日を置かずに皆さんが見れるようにまとめを作って振り返れるのも大切だと思います。また、毎回参加された方から薄羽さんにメールで送られた各グループでの感想なども貴重で、これが皆さんで共有できたらいいのにと思っていましたが、参加者がログインして見れるWikiサイトを曽根さんが運用しておられるので、総合的に有機的に結びついた良い企画だと思います。


各グループのまとめを図式化してみました


Aチーム発表
かおるさんの発表
成功には何が必要かを考える上で、成功と失敗を対比して考えてみました。つまり、
成功への希望 と 失敗への恐れ
いけないこと: 失敗は恐れてはいけない
なぜいけないか: 失敗を恐れてチャレンジしないと失敗の副産物をえることができない
何が必要か: 自信が必要
何が重要か:リスクをとるマインドやチャレンジが大事
自信を得るには: 成功するにはやり続ける不屈の意思
やり続けるには: 小さな成功の積み重ねにより、成功の確度を高める
Aチームは、京さん(男性)、国際ホスピタリティ研究センターの青柳さん(男性)などがいる強力チームですね。



Aチームのテーブルクロスを図式化してみました


Bチーム発表
寺沢さんの発表
「成功」の反対は失敗ではなく、「何もしないこと」だと考えている。
失敗は成功のもと。失敗を積み重ねることにより成功に近づける。
成功の定義は人まちまちで、自分で決めればよいこと。
だから、自分が楽しいことを続ければよい。
新しいことを始めると必ず失敗するので、あきらめないことが重要。
自分の本業以外のことをすると、自分の本業が新鮮な目で見られる。好奇心が大事。
人の話を聞いていると常に出るキーワードが好奇心ということなので、やはり好奇心が大事だと思います。
小さい成功を積み重ねてゆくことが大事。
Bチームには寺沢さん(男性)、清水さん(女性)などがいる思いの強いチームですね。初めての方(女性)がお一人おられたようです。


Bチームのテーブルクロスを図式化してみました


Cチーム発表
曽根さんの発表
チームとしての成功 と 個人個人の成功
個人個人なら自分が好きなことに熱中すればよいのかもしれないが、チームとしては、チームとして熱中できるものをだれかが持ち込まなければならない。チームの大きな目標をきちっととらえて、そこに向かってゆく中でこまかく方向転換をして成功を目指すようにする。
CチームにはVisionary Instituteの仕掛け人の一人である曽根さん(男性)、久しぶりの伊藤さん(男性)などのチームです。


Cチームのテーブルクロスを図式化してみました


Dチーム発表
片山さんの発表
一番大切なこと: あきらめないこと。これがないと成功に導かない。
あきらめないと言うことは: 「光」があることです。
これを実現するのになにが必要か: ポジティブでいなければならない。つまり、前向きでいること。
前向きでいるためには: 楽観的でなければならない。
楽観的だからといって中途半端ではなく、本気で、命がけで頑張らなければならない。本気で生き抜くことが大切。
そして、皆で「夢」を持つて頑張ることが大切。
片山さんの発表が終わると、京さんから「何かわからなかったけど、元気になりましたね。」とか、女性から「すごい素敵だった」とか、「皆に元気を与える」という声があがりました。励まされるような発表ありがとうございました。
私たちDチームは、何回か参加されている片山さん(女性)、初めの頃から参加されている玉川大学の天文台を守っている潮木さん(女性)、Facebookですばらしい場所や気に入った情報などを画像で提供している石橋さん(男性)、そして小城でした。潮木さんによると、12月21日(火)の16:30ころから東の空では皆既月食がみられるそうなので思い出したら、この時間には仕事の手を休めて東の空を見上げてみてください。


Dチームのテーブルクロスを図式化してみました


Eチーム発表
ワールド・カフェが初めての方が二人いて、この方から5秒で結論が出たと言って、言われたことが最後まで対話の柱になりました。
やりたいこと好きなことを見つける
そして、やりたい事をやり続ける信念と力を持つことが大切です。
やりたいことをみつけるのは難しいですね。それには好奇心が必要。
日本人はなかなかチャレンジをしなくなっている。チャレンジをするためには、チャレンジするための教育は重要だ。
好奇心から成功を重ねて自己愛、自己肯定/他者肯定をしてやり続けるというサイクルが回ってゆくことが重要。
Eチームは高野さん、曽田さん、藤原さんなど、他の方のお名前は覚えておりませんが、初めての方が二人おられたチームです。


Eチームのテーブルクロスを図式化してみました


薄羽さんからの総括
薄羽さんが的川先生の講演で心に残った2つの言葉について話されました。1つは講演の最後のほうにおっしゃった言葉に「小学校5年生の時が大事だったんではないかな」。その頃に本当に好きなことに出会って、諦めない不屈の精神をもつようになることが大事であるということでした。私の5年生の頃は毎週、戸塚から秋葉原に出かけていって、電子パーツ屋さんで小さな皿にダイオード1つ、抵抗1つ、コンデンサー1つ等とユニバーサル基板など必要な部品を買い集めて、よく火傷をしながらハンダごてで電子製作をしていたことを思い出しました。的川先生は、今では衛星などのプロジェクトを手がける科学者ですが、子供の頃には、つぶしがきくからと、父親から法律家を目指しなさいと言われたそうですが、それに反発して工学を目指したそうです。
2つめは、プロジェクトは一生に一度チャンスが巡るかどうかである。参加している技術者は、このプロジェクト自体は7年前に始まったわけですが、そのプロジェクトに入る前の大学院生のころから続けてきたことが、このプロジェクトに結集したわけで、その強い思いがあったからこそ、4つのエンジンを裏でつないでいて、それぞれをパーツとして組み合わせるということをしたわけです。それ自身は、長年の研究の成果としてすばらしい設計でしたが、はやぶさを衛星に載せる少し前の設計変更をしてはいけない時期に、ぎりぎりまで方式を考え抜いて出した結論が、やっぱり、4つのエンジンをつないでおこうということでした。それでメーカーの方と相談して、線でつなぐと重さに影響が出るので、ダイオードでつなぐという方法でそれを実現したようです。ルールでは、してはいけない事をしたわけですが、それを聞いた川口淳一郎プロジェクトマネージャは、それを責めることなく、そして見事に日本の宝、誇りが誕生したわけです。プロジェクトのメンバー一人一人の責任感とそれを信頼してまとめているリーダーだからこそ実現出来た結果でした。
ぜひ皆さんも小学校5年生の頃を思い出し、しかし、一方では与えられている今の場と言うものの中では、一人一人は何にチャレンジし、チームとしてはなにを目標にして熱中しているかをはっきりさせることが大事です。日本人がチャレンジすることを見失いつつある今、チャレンジする心を持たせる教育という事が大事なのではないか。見守ると言う大局的な心が大事ではないか。


今日のサプライズは、学校の先生をされている清水さんが少し早いクリスマスプレゼントと言うことで、トゥインクル、つまり2つの星の形に焼いたクッキーを2つずつラッピングして参加者の方々のために持ってきてくれました。ずっと眺めていたかったのですが、誘惑に負けて食べてしまいました。おいしかったです。ありがとうございます。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



次回のセミナーは最終回で「私たちはどこからきて、どこにいくのだろう」という非常に哲学的な題で、12月最後のクリスマスレクチャーです。講師は宇宙創生の揺らぎについては第一人者の佐治晴夫さんにお話頂きます

・推薦書籍のご紹介


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2010年11月26日金曜日

Visionary Institute - 2010 Seminar 第8回 的川泰宣氏による「飛翔のイノベーション -- 未来を開発する宇宙探索」サマリー

本日のVisionary Institute - 2010 Seminar 第8回はJaxa名誉教授の的川泰宣氏による「飛翔のイノベーション -- 未来を開発する宇宙探索」でした。先生のお話は一言で言って、日本人、日本の若者に元気を与えるような感動的なお話でした。先生は「小惑星探査機 はやぶさ物語」にその多くにエピソードを書かれていて、多くの人に読まれているのですが、やはり、ご本人のやさしい肉声でお話しされるのを聞いていると、そのお人柄に触れられて素晴らしい時間を過ごすことができました。家に帰ってすぐ、高校生の二男にこのエッセンスを話して、励ましました。「若者よ頑張れ」。

さて、お話を順に思い出して書き連ねてゆこうと思います。
まず、「はやぶさ」は2003年5月9日に打ち上げられました。当初4年で帰還する予定が、色々なトラブルの結果7年かかって帰ってきました。設計では、4年で戻ることを想定した耐久性だったそうで、7年たって帰ってきても帰還できないのではという不安があったそうです。

先生が「はやぶさ」の話をされると、偉業への賞賛の声よりは「共感」や「共鳴」を感じたという声が多かったそうです。つまり、何度となくトラブルに遭遇しながら、それを乗り越えて目的を達成した後、自らは燃え尽きて果てるという壮大な物語に共感したようです。

お母さんからは、「はやぶさ」は、お母さんのように自分だけがバラバラになって、産んだ子だけが育っているという声も聞かれたようです。設計では「はやぶさ」は大気圏に突入して燃え尽きるのではなく、役割を終えたら本体のガスジェットを使って大気の外に出して、その姿をとどめようとしていたそうですが、ガスジェットの燃料を使い切ってしまったので、それも叶わず、大気圏に突入して燃え尽きたということでした。


宇宙の岩石を持ち帰る対象の衛星を、なぜ「糸川」にしたかというと、糸川は500m位の大きさで、熱変性していないので、出来た頃の岩石成分がそのまま残っている可能性があったからだそうです。大きい星では、太陽の熱などを受けてその岩石成分が変性してしまっている可能性が高いそうです。

「はやぶさ」の命名のエピソードとしては、はやぶさという鳥のように目がよく、狙った獲物を捕まえて帰ってくると言う様子に似ているのでこの名前にしたそうです。しかし、的川教授は「アトム」という名前にしたかったそうですが、チームの人たちの意見に勝てずにこの名前を受け入れたそうです。

「はやぶさ」という鳥のようにすばやく行動してと行きたいのですが、地球からどんどん離れてゆく「はやぶさ」に電波が届くまで15分以上、そしてそれを受けて、それに応えてきた電波が地球に届くのに同様に15分以上かかるということで、星にぶつかるとか分かるにに15分以上、対処するように指示を出して伝わるまでに15分以上と、とんでもなく制御が難しいと言う点は、自分で判断して行動するというプログラムを与えて切り抜けようとしたわけです。その、判断しなければならない状況を考えれるだけ想定して、それらに自らの判断で対応できるようにしたわけです。これも、「はやぶさ」の世界初の試みで、それが成功の一因だったわけです。

さて、実は「はやぶさ」は実験システムで、将来の実用化に向けての実験のためのもので、「はやぶさ」の目指した技術は以下のとおりでした。

①イオンエンジン(今までのエンジンと違い、ものを燃やさないエンジン)を行き、帰りのためにのみ使う。
②姿勢制御は3軸をそれぞれ制御するための3つのこまと、姿勢制御の推進力を付けるためのガスロケット。
③着陸-サンプル収集-離陸という世界初の動きをさせる。今まで着陸するだけと言うのはあったが、離陸して戻ってくるというのははじめての試み。
④地球帰還。大気に突入する際に表面は3,000度以上になるが解けそうになっては固まり、また解けそうになっては固まりというのを繰り返しながら、しかし、解けないカプセルの中は50度程度に抑えることが出来た。

これらの実験の結果、分かったことは、どんなに志が高くとも、技術力がなければうまく行かないと言うことが実証された。

これらの成果は、科学雑誌として有名なSCIENCE1冊に「はやぶさ」の特集号が組まれて発表されました。

これらの試みでは新しい技術が考案されたが、それらは皆、若い人たちの議論から出来上がってきて、若い人たちはチャンスを与えて、本人の志が高ければ、大きな心を持つ人が育つというのを実感したようです。
つまり、現場が人を育てるという実感が持てた瞬間だったようです。

最終的には「はやぶさ」は4つあるエンジンの4つとも故障してしまいました。4つのエンジンはイオン源と中和器がありますが、それが対ではじめてエンジンとして使えます。エンジンを設計したエンジニアは「はやぶさ」を送り出す直前に、4つのエンジンに何か障害があったときのために、それぞれのエンジンの使えるところ(つまり、4台の1つのエンジンのイオン源と別のエンジンの中和器)を組み合わせて使えるようにしていたことと、3つあった姿勢制御用の機器が全て故障した状況で機転を利かして推進用のエンジンを姿勢制御にも使った技術者のおかげで姿勢制御が可能となり、その前に不完全ながら回復した通信とそれを使った地上のエンジニアの習得した制御技術、これら全てが重なって地球に帰還できました。


「はやぶさ」と地球のオペレーションとの命綱は通信ですが、色々なトラブルの1つとして通信できないと言うトラブルがあったそうです。そのときには、今までの衛星技術の経験から、通信が完璧でなくわずかな情報しか扱えない場合、その最低限の情報が1ビットだそうです。この1ビット(1か0、yesかno)などの情報を少しずつ交換しながら推定して言って確実になるという果てしなく時間のかかることを忍耐強く続けて、最低限必要なオペレーションを遂行できたわけです。

そして、「はやぶさ」の燃え尽きる前の最後の仕事は宇宙から地球の写真を送ってくることでした。これも無事成功しました。

この燃え尽きる「はやぶさ」をいとおしく思ったのは母親の方たちだけでは有りませんでした5歳の少女もはやぶさを「はやぶさ君」と呼び、「はやぶさ君」へ手紙を書きました。それをお父さんがJAXAへ送ったそうですが、その手紙が紹介されておりました。以下、「あすかははやぶさ君が大好きです。でも、はやぶさ君がもうじき消えてなくなるという話を聞きました。でも、あすかははやぶさ君が大好きなので、一生、はやぶさ君のことを思い続けます」。

お話の最後は以下のようにまとめられました。
幼い共感と感動が未来を作る
小中学校は高校の準備だけではない。「命を輝かせる最も大切なチャンス」を身に付ける時期である。
毎日毎日が人生でもっとも大切な時期である可能性が高い
着眼大局 着手小局

そして、最後に「適度な貧乏」。これが「はやぶさ」が成功した原動力だったようです。アメリカでの衛星の開発には500億円程度かけられるのですが、日本の場合、150億程度で、全くの貧乏ならば衛星など作るには資金がなかったわけです。そんなことから、適度な貧乏があれば、少ない資金でどうにかしようと努力するわけです。




























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