2011年1月9日日曜日

Visionary Institute 2010 World Cafe 第10回 「私たちはどこから来てどこに行くのか」 参加報告

Visionary Institute 2010 World Cafeの第10回は、佐治晴夫氏の「創成のイノベーション 未来に継承するリベラルアーツ」セミナーを受けて、2011年「私たちには何が必要であると考えますか?」、そして、「私たちは何をしたらよいでしょうか?」について、株式会社エムシープランニング代表の薄羽美江さんのファシリテートにより対話を行いました。今回の企画の特徴は、薄羽さんが本日の冒頭で言われました、「20世紀の忘れもの」から「21世紀の贈りもの」へと進化・深化させて、真の価創造に向かいたいという想いを実践する場を提供したところにありました。そんなところが、色々なところで行われているワールド・カフェとの違いではないでしょうか。

各グループ発表のまとめ
私と私がいるから私たちになる。そのつなぐものということで各チームから発表がありました。


各グループのまとめを図式化してみました


・Aチーム発表
私と私が集まって私たちになるので、私と私をつなぐのは感じる心を育む、お互いを認め合うということです。
違いが有ることを認める関係性ができればよい。


Aチームのテーブルクロスを図式化してみました


・Bチーム発表
安心で居心地の良い囲みでないと未来は無い。
囲みの最小限のものは自分であるが、ただし、今、安心できる囲みとは家族であろう。
自分と家族と言う囲みを離れたくないと思うのではなく、自分が外に出て行くことで安心、安全をより世界に広げてゆくのが大事ではないか。
一言で言うと、皆で「宇宙家族ロビンソン」になろう!


Bチームのテーブルクロスを図式化してみました


・Cチーム発表
個人の枠を外す。枠を外すように意識を変える。
そこで大事なのが、こころは前向きで行動する。
最終的に一番つなげてゆきたいのは、皆さんがそれぞれのコミュニティでWorldCafeをやってゆこう。
それが地球規模で行われてゆけば良い社会が出来てゆくのではないでしょうか。

チェックイン
今回は5人のチームです。そのうち2人の方は始めて参加されたそうです。私も第一回目は、他のライブラリートークのようにセミナーを聞くのだろうなと思っていて部屋に入ったら4人程度のテーブルに分かれていて、これから何が始まるのだろうと思っていましたが、このお二人もきっとそうだろうなと思い、リラックスしてもらうようにお話を始めました。グループのホストは、前回の発表で「元気が出る発表だった」と、皆さんに好感を与えた片山さんが今回も選ばれました。

第一ラウンド
-先ずは私から口火を切りました。今年は、自分の固定観念を外して、あえて不得意だと思っていることに挑戦しようかと思っていることをお話しました。つまり2011年に私たちというより私には佐治晴夫先生がセミナーで繰り返し強調されていた、リベラルアーツが必要ではないか。つまり、既存の伝統や風習から大きく心を開放して新しい思想のパラダイムを目指すには、音楽や天文、芸術に積極的に触れてゆこうと思っています。
-「脱力して」、色々なことをやりたい。昨年は余計なものを捨てた気づく1年だった。
-「跳躍」。ジャンプアップ。生かしたい。
-「自分で1から考え直す」。座禅で、会社に頼らず、自分で何かを始める。
-「ちゅうちょしない」考えすぎずに、先ず行動して結果を見極める。
つまり、Cグループは今年はそれぞれが前向きに行動する決意表明でした。

第二ラウンド
ホストの片山さんを残して、残りの4人は別のテーブルへ。私も別のテーブルでこのチームで行われた対話である、それぞれが今までの枠にとらわれず前向きに行動してみるという話をしてきましたが、これは他のグループの対話の中でインパクトのあった、脱藩と言う、つまり、枠をはみ出るという話にも通じました。また、他のグループの方のお話では、今の日本は安定していてハングリー精神に欠けているのではないか。つまり、前向きな向上心が必要ではないかという対話もこれに通じるのではと感じました。

第三ラウンド
さて、4人が戻ってきました。それぞれのグループで聞いてきた対話の内容を披露されました。脱藩、ハングリー精神、幸せを感じるための環境、食育、モノ選び等など。今回のテーマの主人公は「私たち」ですが、それぞれのグループでの対話は、組織として全体でどうしようと言うより、「私」という一人一人の力の結集が世の中を動かしてゆくという意気込みが強く感じられました。


Cチームのテーブルクロスを図式化してみました


・Dチーム発表
暗すぎる世の中に明るさが必要。
幸せを感じられる社会にしてゆきたい。そのためには感謝が必要ではないか。
自分の健康、家族、友人、そして先祖に感謝する。
そういった心のゆとりが大事ではないか。
それを将来にも残してゆきましょう。


Dチームのテーブルクロスを図式化してみました


・Eチーム発表
1つの結論にはなっていませんが、幾つか提言がありました。
今日の日本経済新聞の経済教室に東大の源田雄二先生の書かれていた記事の内容から話が展開してゆきました。
・アニマルスピリッツ、つまり、ハングリー精神が今の日本の社会で欠けているのではないか。
日本が豊かになり過ぎた弊害ではないか。
・竜馬伝の影響ではないですが、脱藩、つまり、自分の枠を乗り越える必要が有るのではないか。
新しい事にチャレンジしてゆくことが必要ではない。
・コアになるアイデンティティがなければ、より豊かに変わることが出来ないのではないか。
・著名な言語社会学者である鈴木孝夫氏の「日本語教のすすめ」を読むべきではないか、という結論になりました。日本人が英語でコミュニケーションすると言うことは、日本人としての特性を失う事ではない、と言うことを忘れてはいけない。


Eチームのテーブルクロスを図式化してみました


・Fチーム発表
自分自身の個性を見つけてゆこうという事を2011年の目標としよう。
自分とは違うものに遭遇したり、チャレンジしたとき、個性とは初めて分るものではないか。
日本人の特性として協調性や、思いやりの気持ちがあるというものを認識するなかで
自分の個性を見つけてゆく必要がある。
自己主張をすることを認めてゆく社会作りが必要ではないか。


Fチームのテーブルクロスを図式化してみました


・今日のまとめ
今日のまとめとして、薄羽さんは参加メンバーの寺沢さんの対話がふさわしいということで、寺沢さんにそのお話をして頂きました。寺沢さんの専門である物理学は世の中の一番小さいものと一番大きいものを扱う学問ですが、137億年の歴史のある宇宙を理解するには一番小さい原子や原子核を理解することから始まります。つまり、一番小さいものと一番大きいものがつながっている。そういう意味で前回の佐治先生のゼロのお話が、ゼロの中にミクロからマクロがつながっているというお話ととらえるとゼロの概念のお話をされた趣旨が分かりましたということでした。ゼロは丸の形をしているので、とても象徴的な気づきで結びに相応しいと薄羽さんは感じたそうです。

・推薦書籍のご紹介




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